スキーチューンナップってなに?する必要あるの?
スキーチューンナップってよく聞くけど詳しく分からない!そもそもチューンナップって必要なの?
そんな方のために今回は、スキーチューンナップとは「どんなことをするのか」「なぜする必要があるのか」について解説しようと思います。
自分のスキー板をチューンナップに出したことがない方も、これを読めば今すぐチューンナップに出したくなるはず!
目次
スキーチューンナップの概要と工程
そもそもスキーチューンナップとは何なのかについて解説したいと思います。
スキーチューンナップとはスキー板の滑走面、及びエッジに対するメンテナンスのことであり、これをすることによりスキー板の状態を良くし、本来の性能を発揮しやすくするための作業です。
購入してすぐのスキー板も基本的にはチューンナップは施されていないので、スキー板購入時に併せて注文するのが一般的です。
料金は約1万円程度で注文が可能で、主な工程は以下の通りです。
- 滑走面サンディング処理
- スキー板の滑走面をフラットな状態になるまで削ります
- エッジ研磨
- エッジを研磨し角を立てるのと、指定のエッジ角度に調整します(角度指定はオプション)
- ストーンフィニッシュ
- 滑走面にストラクチャー(水はけのための溝)を入れます
- ベースワックス
- 滑走面にベースワックスを塗ります(保護の役割)
主な工程は以上ですが、チューンナップのコースによっては、それぞれの工程の精度がアップされたり、使用して滑走面に傷が入った板に対して滑走面補修がプラスされたりするものもあります。
スキーチューンナップしないとどうなるの?
続いてスキーチューンナップの必要性についてお話しします。
実際に今まで自分のスキー板をチューンナップせずに使用していた方も少なくないと思います。
問題なく滑れていたけど、本当にチューンナップって必要なの?と疑問に感じるかもしれません。
結論から申し上げます。
スキー板の本来の性能を引き出すうえで、チューンナップは必要です!
スキー板のほとんどがヨーロッパの工場で生産されておりますが、その出荷時の状態は良いものではなく、滑走面がフラットではなかったり、エッジの仕上げが均一でないものがほとんどです。
そういったスキーでは、ターン時に変な引っ掛かりが感じられたり、スキーをずらしたい時でもスムーズにずらすことができなかったりします。
それでは上達の妨げになりますので、チューンナップに出されてよりスムーズで楽な操作ができる板にされることをお勧めいたします。
特に重要な工程である「滑走面サンディング処理」と「エッジ研磨」についてもう少し詳しく説明していきます。
滑走面サンディング処理の重要性
スムーズなスキー操作のためにはサンディング処理が必要です!
ほとんどのスキー板は新品の状態でも滑走面はフラットになっていません。
具体的に言うと、滑走面が凹んでいるコンケーブな状態か、滑走面が盛り上がっているコンベックスな状態になっています。
滑走面が凹んでいるコンケーブな状態では、エッジが引っ掛かりやすく、スキーを横に動かす操作が難しくなります。
また、滑走面よりエッジが雪面に接していることになるので、滑走性が悪くなります。
滑走面が盛り上がっているコンベックスな状態では、エッジが掛かるのが遅く、グリップ力も弱いです。
スキーのレスポンスが悪くなり、思ったようなターンができません。滑走面がフラットになっていないと、その後のメンテナンスでも悪影響を及ぼします。
例えば、ファイルガイドを使ってサイドエッジを研ぐ場合ですが、滑走面がフラットなら、そこにファイルガイドを当てれば指定の角度でエッジを研げますが、フラットでないところにファイルガイドを当てても角度が出せないですよね。
ホットワックスを剥がす時も、コンケーブの場合だと滑走面の凹んでいる部分のワックスを剥がすのが難しくなります。
スキーの操作性を考えても、メンテナンスのことを考えても、滑走面サンディング処理をしてフラットな状態にすることは非常に重要なことなのです!
エッジ研磨の重要性
しっかりと雪面をグリップするためにはエッジの研磨が重要です。
エッジの角を立てるのも、スキー操作の上で大事なことです。
ワンシーズン使用した板は思っているより摩耗し、エッジが丸くなっています。
丸いエッジで滑った場合、雪面へのグリップ力が失われ、エッジが噛まずにズレてしまいます。
ターン時の安定性を欠くだけでなく、スキーに圧を掛けづらくなってしまうので、スキーをたわませることができずターンが間延びしてしまいます。
小回りなどクイックにスキーを動かすことが苦手な方は、技術だけではなくエッジを見直すことも必要かもしれません。
また、エッジの角度を何度にするかも重要で、一般的にはベースを1°、サイドを88°にするのが主流ですが、求めるレスポンスによって角度を指定する方もいます。
- ベース(滑走面側)の角度 基本1°
- 早くエッジが雪面にかかってほしい(シビアなレスポンスがほしい)場合→0.5°など角度を小さくする
スキーを横にズラしやすくしたい(引っ掛かりが怖い)場合→1.5°など角度を大きくする - サイドの角度 基本88°
- 角度を鋭角にするほどグリップ力が上がるので、87°などにする方もいますが、その分エッジの噛みが強すぎて難しくなる場合もある
ワールドカップ選手などは、大会の雪質、斜度によって86°などにする場合もあります。
スキーチューンナップをこだわる人にお薦めのオプション!
基本的な工程について説明しましたが、ここでは更にチューンナップをこだわりたいという方のためにお薦めのオプションをご紹介します!
- エッジ研磨(手仕上げ)
- 職人による手仕上げでエッジを研磨します。通常の機械仕上げでは落としきれないバリを丁寧に除去し、より引っ掛かりの少ないエッジに仕上げることができます。
- エッジ研磨(スノーグライド)
- エッジ研磨専用の機械(スノーグライド)を使用してエッジを研磨します。手仕上げよりもキメが細かく雪面抵抗が少なくなり切れ味も長持ちします。
- ストラクチャー変更
- 直進性重視や操作性重視など、お客様の希望に沿ったストラクチャーに変更できます。(画像参照)
- WAX FUTURE(ワックスフューチャー)
- 赤外線を照射しながらワックスを塗り込みます。赤外線の効果によりワックスが滑走面に深く浸透しより長く継続します。
スキーチューンナップについて解説させていただきました。
一言にスキーチューンナップと言っても、その工程は意外と多く、コースや追加するオプションによって仕上がりも違います。
もちろんチューンナップの仕上がりによってスキーの滑りの感覚も変わるので、こだわる方はチューンナップを特に大事にします。
今まで自分のスキー板をチューンナップに出したことがない方も、一度出してみてください。
きっとスキー板本来の性能を発揮し、今まで得られなかった感覚を味わうことができるはずです。
※チューンナップの価格は変更になる可能性がございます。