SWIX(スウィックス)ワックス2022-2023モデルを徹底解説!
SWIX(スウィックス)は1946年にスウェーデンで創業され、あらゆる雪質への対応を目指したノルディックスキーワックスの研究開発に注力してきました。
その後、本拠地をノルウェーに移転し、「スウェーデン」、「ワックス」と、商品開発責任者である「WALLIN」に由来し、「SWIX」という社名にしました。
1948年にスイスで開催されたサン・モリッツ冬季オリンピック大会において、クロスカントリースキー競技で金メダリストとなった全てのスウェーデン選手がSWIX(スウィックス)のワックスを使用していました。
その事は全世界にセンセーショナルな結果として報じられ、スキーヤーやクロスカントリーの愛好家達も、すぐにSWIX(スウィックス)のワックスを使用するようになりました。
それからもSWIX(スウィックス)は、ワックス・チューンナップ用品など多岐にわたる製品のリーディングカンパニーとして君臨し続け、歴代のオリンピックや世界選手権、ワールドカップレースでの選手のメダル獲得に寄与してきました。
今回はSWIX(スウィックス)のワックスを徹底解説していきます。
SWIXワックスについて
2022-2023シーズンのSWIXワックスは「TS」シリーズ、「HS」シリーズ、「PS」シリーズ、マラソンワックスから展開されます。
以前はフッ素の入ったワックスも展開していたのですが、2022-2023シーズン以降のすべてのFIS公認大会においてC8/PFOAを含むフッ素系ワックスの使用禁止となっているため、2022-2023シーズンのワックスにはフッ素は入っていません。
SWIXのワックスは温度帯によって、パッケージの色が違う仕様になっています。
適温のワックスをお選び頂くことによって、ワックスの効果の期待も上がります。
TSシリーズ
2021-2022シーズンにも展開されていたTSシリーズのワックスです。
もちろんフッ素が入っていないワックスです。
「TS」シリーズの中にも、リキッドタイプのTSシリーズ、ブラックワックスのTSBシリーズ、パウダータイプのTSPシリーズがあります。
TSリキッドタイプ
「TS」シリーズのリキッドタイプのワックスは、フッ素含有の「HF」と同程度の滑走性があるので安心して使うことができます。
以前にあったスタートワックスと言われているフッ素100%のワックスは、瞬発力があり、スタートして100m・200mは効果があるのですが、一番下まで行く頃には効果が薄れてしまいます。
「TS」のワックスはスタートワックスほどの瞬発力はありませんが、持続力があるので、1kmほど下まで行っても効果が持続します。
GS競技ですと、1レース辺り1,200・1,300m程の距離があるのですが、そのくらい滑って行っても充分滑走性を保つことができます。
また、「TS」シリーズのリキッドタイプワックスのメリットは、ある程度滑走面に染み込んでくれるので、アイロンを使わなくてもアイロンと同じような効果が得られる点です。
塗り込んでから15分程度置いておけば染み込んでくれるので、非常に使い勝手が良くなっています。
例えば1本目は寒かったけど、2本目は温かくなってきたといった時、以前であれば、宿に帰ってわざわざワックスを塗り替えることはなかなかできませんでしたが、今は1本目、2本目にワックスを気軽に塗り替えることができます。
TSBブラックワックス
「TSB」ブラックのワックスは、溶けて固まった雪や汚れた雪、乾燥した摩擦係数の多い雪(アイスバーン等)に機能するワックスで、汚れや摩擦を軽減します。
TSPパウダータイプ
パウダータイプの「TSP」シリーズのワックスは一番新しいワックスです。
「TSB」ブラックのワックスの黒い素材が入っていない物として使って頂けます。
新雪の場合、「TSP」パウダーの方が滑りやすく、天然雪や新しめの雪に適しています。
HSシリーズ
以前あったフッ素を含有する「LF」に替わるワックス。
レーシングからトレーニングまで、幅広い用途に使われるワックスです。
「LF」ワックスは下地として使われていましたが、「HS」シリーズは、「TS」シリーズより湿度の低い時に適しており、湿度が55%とか50%程度に低くなってくると、滑走ワックスとして使えます。
同じレースの中でも湿度によっては「HS」がメインになってくるかもしれません。
PSシリーズ
すべてのレーシングワックスの基礎ともいえるワックスです。
以前は「CH」の名称で販売していたワックスです。
内容は「CH」の2021-2022シーズンから変わっておらず、パッケージのみ変更になっています。
MARATHON WAX
マラソンワックスは耐久性が良く、クロスカントリーの50kmや30kmのレースでも使われています。
クロスカントリーで使われている頻度が多いです。
フッ素の代わりに、ポリエチレンや何種類かのシリコンが入っています。
湿気などにより、適したワックスが変わってきます。