【上級スキー板お手入れ】出す?出さない?スキーチューンナップ徹底解説!ポイントは?自分の板の状態を知ろう!
新品、シーズン始め・中・終わり、国産、海外メーカー…
千差万別なスキー板の状態も、この動画を見れば「スキーチューンナップ出す?出さない?」がわかる!
シーズン中に使った板も、新しくNEWモデルの板を購入された方も!是非参考にしてみてください!
目次(該当のシーンへ遷移します!)
スキー板はチューンナップに出した方がいい?
「新品の板はまだ誰も使ってないから、そのまま使ってもいいんじゃない?」と考える方もいらっしゃいますが、実はそうではありません!
新品でもチューンナップに出すのがBETTER!
その理由はスキーのメーカー製造国に関係してきます。
ほとんどのスキー板はヨーロッパで生産されています。
スキーが出来上がった時点では非常にきれいな状態で、お客様にすぐに履いていただけるように作られています。
しかし、これを日本に輸入してくる際に問題が発生します。
輸入の方法は大きくふたつあり、まずひとつ目は飛行機を使った空輸、ふたつ目は船便での輸入があります。
スキー板の輸入は主に船便がメイン。

船便になると、ヨーロッパからアフリカの左側を下に回り込んで赤道の下を通り、インド ➡ シンガポール ➡ 日本と期間的に2,3ヶ月かけて移動してきます。
赤道直下を移動する際、日中の船内は気温も湿度も非常に高い状態になり、夜になると今度は気温が下がり、スキー板は激しい温度変化にさらされることになります。
スキー板は製造の際、さまざまな素材を圧着して作られているのですが、その中に細かい気泡が入っていた場合、その泡が温度によって膨張と収縮を繰り返して日本に到着することになります。
このため、製造時は綺麗に作られた滑走面も、日本に到着した時はどうしても多少の歪みが出てしまっている状態になります。
次の解説では、実際にスキー板はどう歪んでしまっているのかを確認していきます。
板の形を見てみよう
フラットゲージを用いて、滑走面の状態を実際に見ていきます。
まずはフラットが出ているスキーをみてみましょう。

フラットゲージを置いて、図のようにライトでかざします。
板がフラットなため、フラットゲージとの隙間がなく、光も漏れてこない状態になっています。
続いて輸入後袋から出してすぐのスキー

図を見ると見てみると、フラットゲージとスキー板の隙間から光が漏れているのがわかります。
この板の場合、エッジ部分は光の漏れがあまりありませんが、真ん中に行くにつれてより光の漏れが大きくなっています。
この状態を「コンケーブ」と言います。
「コンケーブ」とは、エッジの高さより滑走面が低くなっている状態を指します。
逆に、エッジより滑走面が高くなっている状態を「コンベックス」と言います。
輸入してくる段階で湿度・温度、また、空輸の場合は気圧の変化などで起こる変化は大体この2つとなっています。
- ◼︎コンケーブの状態で滑ると?
-
エッジを立てた瞬間にひっかかって動けなくなります。
このため、ずらしなどの操作が行いにくい状態になってしまいます。 - ◼︎コンベックスの状態で滑ると?
(雪面に)お腹がずっとついている状態で、エッジが雪面に付いていない状態になります。
エッジが立ちにくく、スキー板を思い通りに動かすことが難しい状態になります。
このため、エッジの高さと滑走面の高さを同一直線状にすることが重要です。
「先ほどの図の程度の歪みであれば、あまり気にならない」という方もいらっしゃいますが、上級者の方は技術もあり、板の手入れをしっかりとされているので、より歪みを敏感に感じる方が多くなってきます。
逆に、まだプルークボーゲンでまだ曲がったり止まったりできないという初心者の方は、まだあまり歪みを実感されないかもしれません。
主に上級者の方ほど、購入時のプレチューンナップをおすすめします。
国産スキー板について
オガサカは皆さんご存じの通り、長野県で作られている国産のスキー板です。
長野県から大阪、例えばタナベスポーツに輸送する場合、高速道路でのトラック移動になるため、板が急激な温度変化や気圧変化にさらされることはありません。
そのため、移動による板の影響が少なくすみます。
また、オガサカ自体の作り方が非常に丁寧ではじめからチューンナップがされている状態のため、その分お値段が少し上がってきます。
板をご検討の際、海外のものは+チューンナップ代を視野に入れて価格比較をしていただけば良いかと思います。
エッジについて
エッジは鉄で出来ていますので曲がることはありませんが、まれに船内での湿気、特に潮などで錆びることがあります。
もちろんメーカーさんも輸出の際にしっかりラッピング行っており、輸送の時に注意は払ってますが、錆びてしまっている新品のスキー板もゼロではありません。
これからスキーをするぞ!という時は事前のチューンナップがおすすめです。
- チェックポイント
- ・滑走面のフラットが出ていない
・エッジが錆びている
・滑走面が酸化している …等
また、サビなどの問題が怒っていない場合でも、ヨーロッパのメーカー工場で作られてたそのままの状態のエッジと、チューンナップ後のエッジは切れ味が異なってきます。
チューンナップの際に研ぎ直し、さらに洗練させることで、エッジの効きが違ってきます。
後編の動画では
チューンナップの工程、「チューンナップって実際には何をするの?」という部分を確認していきます!
今回の動画で使用したアイテムはこちら!

滑走面のフラットチェックやビべリング研磨後の角度チェックに使用する定規